本年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨年は、音楽を楽しむ上でとても大切な「考える力」を見つめ直す一年でした。
デジタルやAIが脳に与える影響についても学び、音楽教育においても脳科学や心理学の知識がこれまで以上に重要だと実感しました。
今年は、昨年の学びを活かしながら、
皆さんが自分で考え、自分の力で表現できるよう、一緒に取り組んでいきたいと思います。
さて、本題です。
「うちの子、ピアノの練習を全然しないんです」
「言っても言っても、やろうとしなくて…」
というご相談をよくいただきます。
でも、それは「怠けている」からでしょうか?
実は、練習したがらない理由には
「眠い・疲れている」という体調面も大きく関わっています。
今回は、ピアノ練習の環境づくりで最も見落とされがちな「体調管理」についてお話しします。
「練習をしたがらない」には理由があります
お子さんが練習をしたがらない理由の中でも、「環境」が影響しているケースが多くあります。
・眠い、疲れている
・やる気が出ない
・集中できない
これらは本人の「やる気」や「根性」の問題ではなく、環境によって大きく左右されるものです。
「練習しなさい!」と叱る前に、
まずはこれらの原因を一つずつ確認してみましょう。
「眠い・疲れている」は練習の最大の障壁
レッスンをしていて、こんな様子をよく見ます。
・ピアノの椅子に座った瞬間、あくびが出る
・楽譜を見ても目が泳いでいる
・「疲れた」と何度もつぶやく
こういう時、「集中しなさい」と言っても無意味です。
なぜなら、お子さんの体が物理的に限界だからです。
季節ごとの体調変化を理解しよう
お子さんの疲れ具合は、季節によっても大きく変わります。
春:新生活の疲れ
環境が変わり、新しい生活に慣れるだけで精一杯。帰宅後にピアノを弾く体力が残っていません。
夏:猛暑で体力消耗
近年の猛暑は、大人でもバテるレベル。夕方にはもうヘトヘトという子が本当に多いです。
秋:ようやく落ち着く
気候が安定し、生活リズムも整ってくる時期。自然と集中モードに入りやすくなります。
冬:体調管理次第
風邪やインフルエンザの心配はありますが、体調が戻れば、すぐに元のペースに戻れます。
習慣化前は「少しくらい」が通用しない
「少し疲れていても、10分くらい練習できるでしょ?」と思われるかもしれません。
でも、練習の習慣がまだ身についていないお子さんにとっては、
体調が整わない状態でピアノに向かうこと自体が 想像以上に大きな負担なのです。
習慣化されていれば、多少疲れていても 「とりあえずピアノの前に座る」ができます。
でも、習慣化前のお子さんには、 体調が整っていることが練習の大前提になります。
レッスンで疲れ切った様子を見ていると、「今はピアノどころではないな」と強く感じます。
だからこそ、 まずは体調を整えることを最優先にしましょう。
個人に合わせたスケジュール管理を
お子さんによって、疲れやすさも回復力も違います。
だからこそ、それぞれに合った無理のないスケジュールを考えることが大切です。
見直したいポイント:
・睡眠時間は足りているか?
・練習の時間帯は適切か(夕食前?お風呂の後?)
・習い事の詰め込みすぎはないか?
具体例:小学1年生の1学期
特に小学1年生の1学期は要注意です。
新しい環境、長い授業時間、慣れない宿題…
これだけで毎日クタクタになる子が多いです。
そんな時期は、
「ピアノは後回しで構わない」くらいの気持ちでいてください。
・進度をゆっくりペースに
・課題を軽くする
・「今日は練習できなくてもOK」と伝える
まずは学校生活のリズムを整えることが最優先です。
帰宅後、ぐったりしていませんか?
夕方になると動きが鈍くなっていませんか?
もしそうなら、
「体が悲鳴を上げている」サインかもしれません。
思い切って休ませることも
長い目で見れば大切な選択です。
次回予告
次回は、「やる気が出ない」という問題についてお話しします。
ピアノをまだ「自分のこと」として捉えられていない子には、まずは意識を変える小さなステップが大切です。
自分のことは自分でできる習慣を少しずつ身につける方法をご紹介したいと思います。