譜読みが苦手なお子さんと親御さまのお悩み
お子さんの練習のサポートについて「子供が譜読みが苦手でなかなか進まないので、譜読みのサポートをしてもいいですか?」
というご質問をよくいただきます。
例外もありますが、原則としてサポートはしない方が、早く譜読みができるようになります。
譜読みが苦手な原因と解決策
「譜読みが苦手」と一言で言っても、その特徴や原因は様々です。
具体的な解決策がないままサポートを続けても、読譜力の向上は期待できません。
特にピアノ経験者の親御さまからやってしまいがちなのが、初めて弾く曲を代わりに弾いて聴かせてあげることです。
また、CDやネットの音源を譜読み前に聴かせることもお勧めしません。
自分で楽譜を読まずに音を聴いて覚えることを続けていると、いつまでたっても譜読みが苦手なままです。
もし、自分で楽譜が読めるようになりたいなら、今すぐやめた方が良いです。
譜読みが苦手なことは、それだけでピアノ学習のモチベーションが下がる原因になり、悪い習慣を続けると負のスパイラルへ陥ってしまいます。
何年もピアノを習っているのに、「譜読みは誰かに頼らないと曲が弾けない」という状態は悲しいですよね。
自分で読めるようになるための解決策
譜読みが苦手な原因はいくつかあります。
- 本人の読譜力とテキストのレベルが合っていない
- 楽譜や鍵盤における音の高低の仕組みやリズムの基礎を理解できていない
- 練習時間が極端に少ない
これらを考慮し、特に導入期はスモールステップで基礎を定着させることが重要です。
親御さまが練習をサポートする場合も、まずはお子さんの学習状況を把握し、疑問があれば講師に相談するのが解決への近道となります。
必要に応じてテキストを見直したり、音符カードやソルフェージュなどを併用したりしながら、苦手な箇所を集中的にトレーニングすることで、着実に力がつきます。
例外!こんな時はサポートもOK
誰の手も借りずにどんな曲でも自分で読めるのが理想ですが、他人の力を借りなければならないケースもあります。
・発表会などで、今の読譜力では時間がかかりすぎる場合
この場合は、親御さんがサポートしたり、講師が練習用の音源を渡したりすることもあります。
ただし、これは初級者までです。中上級者は、特別な機会であっても、自分で譜読みができないような曲は選曲するべきではありません。
・ピアノを習い始めたばかりの小さなお子さんの場合
日頃のテキスト練習でもサポートが必要な場合があります。
小さなお子さんほど、楽譜の今弾いている音符を目で追うことに慣れていないので、弾いているところを指でなぞってあげると良いでしょう。
・本人が音の間違に気づいていない場合
「今弾いた音、違ったよ」と、間違っていることだけを指摘してあげてください。
その場合も、すぐに指摘するのではなく、本人が自分で気づくこともあるので、少し待ってから声をかけるようにしましょう。
これらのサポートは、親御さんが練習に付き添う期間だけで大丈夫です。
「練習は一人でできるようになったけれど、明らかな間違いがあって声をかけるべきか悩む」というお声も多いのですが、
特に指摘しなくてOKです。レッスンで講師が気づくので、そのままレッスンに来てもらった方が、講師としても生徒さんの現在の読譜力を把握しやすいからです。
譜読みに関する悩みは深く、上級者には上級者の悩みもあります。レベル別の解決法などもまたご紹介したいと思います。