前回は、ピアノを心から楽しむためには、日々の小さな成長を感じる「成功体験の積み重ね」が大切であることをお話ししました。
今回は、その成長を加速させるためのヒント、「インプットとアウトプットのバランス」について掘り下げていきたいと思います。
あなたのインプットとアウトプットのバランスは取れていますか?
ピアノを上達させるには「とにかくたくさん弾くこと!」と思われがちですが、それはアウトプットばかりしている状態です。
もちろん、「弾く」こと自体の練習は欠かせません。ですが、ただ闇雲に弾いているだけでは、練習の質が上がらず、思ったように上達しないと感じてしまうかもしれません。
良い演奏(アウトプット)をするためには、十分なインプットが不可欠です。
こんな練習は「インプット不足」かも
インプットが足りているかどうかは、曲を弾くときに具体的なイメージが描けているかを考えてみてください。
「こんな音色で弾きたい」「この部分をこんな風に表現したい」といったビジョンがぼんやりとしており、ただ音符を追っているだけの状態は、インプットが足りないと言えるでしょう。
表面的なテクニックばかりを追い求め、「もっと速く指が回れば」「もっと速いテンポで弾ければ」と、つい誰かの演奏を真似することが目的になってしまっていませんか?
表面的に誰かの演奏を真似するだけでは、その人と同じように弾けるようにはなりません。
なぜなら、その演奏には、その人自身の感じ方や理解が深く根付いているからです。
結果として、自分の中に「なぜか満たされない」という感覚が残ってしまうこともあります。
インプットを増やすために必要なこと
インプットを増やすには、まず楽譜を深く読むことが大切です。
楽譜を深く読むことは、単に音をなぞるだけではなく、曲の背景や作曲家の意図を読み解くことにつながります。
それはまるで、台本に書かれたセリフをただ声に出すだけの素人ではなく、役柄を深く理解してその人物を演じる役者のようなものです。
同じ音符、同じセリフでも、そこに込められた意味や感情を理解しているかどうかで、聴く人の心に響く深さはまったく変わってきます。
さらに、音楽理論の知識も欠かせません。音楽理論は、楽譜の奥にある音楽の意図を読み解く手がかりとなります。
文化資本を育てることが、あなたの演奏を変える
近年、文化的な知識や教養、いわゆる「文化資本」を育むことに関心が高まっていますが、まさにこの活動が、ピアノを弾く際の気づきや楽しさを大きく広げてくれます。
次回は「音楽理論」について深掘りします!
次回は「音楽理論を学ぶことの必要性やその方法」について、さらに詳しくお伝えします。そして、その次のブログでは、ピアノを通して文化資本を育むことの楽しさや具体的な学び方についてもお話ししたいと思います。