生徒さんから、進路について相談されることが時々あります。その際に、私自身の子供時代について聞かれることも多く、「先生は子供の頃、何を考えていたのかな?」と興味を持ってくれているようです。
質問してくださる生徒さん達は小学校中学年から高学年くらいで、すでに将来の夢や目標が決まっていて、それに向かって日々努力しているそうです。
そんなに若いうちから、しっかりと目標を持って頑張っている姿に、ただただ感心してしまいます。
しかし、生徒さん曰く、目標が遠すぎて「本当に夢が叶うのかな」と不安になったり、心が折れそうになることもあるそうです。
きっと、身近な大人に子供時代のことを聞くことで、なにかヒントを得られるかも、と色々な人に尋ねているのだと思います。
私がよく聞かれるのは
「いつから今の仕事をしようと思いましたか?」
「飽きずに一つのことを続けるためのモチベーションは何でしたか?」
「子供の頃からピアノは好きでしたか?」
などです。
参考になるかどうか分かりませんが、できるだけ正直に答えたいと思い、私は以下のように伝えています。
「この仕事をしたい」と強く思ったわけではないのですが、「将来、ピアノの先生になるんだろうな」と漠然と感じたのは、小学校低学年くらいでした。理由は、自分にとってピアノがまぁまぁ得意なことだったことと、その当時の先生が熱心に指導してくださったことが大きいように思います。
飽きずに続けるためのモチベーションについては、正直にいうと、完全に飽きていました。モチベーションについては少し話しづらい部分もあるので、全部を正直には話していません(笑)。
でも、「モチベーションはあまりなかったけど、先生が怖かったから頑張るしかなかった」なんて話は、正直に伝えています(笑)
子供の頃からピアノが好きだったかというと、正直に言って好きでも楽しくもありませんでした。それでも続けていたら、高校生くらいから少しずつ楽しさが分かるようになり、今となってはピアノをやっていて本当に良かったと思っています。
そう思えるようになるまで、ものすごく時間がかかりました(笑)!
好きでも楽しくもないのにピアノを辞めずに続けていた理由と、モチベーションについて、実は子供の頃からよく考えていました。
私にとってピアノを頑張ることが、自己肯定感を失わないための唯一の方法だったからです。
子供ながらに「ピアノを辞めたら、何も頑張ってない人になる。頑張ってない人=ダメな人」という漠然とした価値観がありました。その不安から逃れるために、「とりあえず私はピアノだけは頑張っているから」 と自分を安心させていたところがあります。
誰かに言われたわけでもなく、決して努力家ではなくどう考えても怠け者タイプの自分が、なぜそう思っていたのか、今となっては不思議なのですが、
怠け者だからこそ感じる恐怖というものが、あるのかもしれませんね(笑)。
音高、音大に進学してからは、これまで受けたことなかった教育や、師匠との出会いを通して、芸術の素晴らしさを知ることができました。
それまでは、どちらかというと体育会系のノリで向き合っていたような気がします。お恥ずかしい話ですが・・・。
そして大人になってから、ピアノを弾く理由は、全く違うものになっていきました。
長くなってしまったので、それについてはまた別の機会に書きたいと思います。